シロアリバリア工法(従来通り薬剤を散布してシロアリを駆除する工法)の一連の施工の流れをご説明します。
玄関タイル面の施工
玄関は構造上、木と地面との距離が近く、シロアリの被害が多いところなので、確実に処理します。
玄関タイルの目地の隙間にドリルで穴をあけ、コンクリート面を貫通させます。タイルの隙間が狭かったり、タイルが経年劣化していると、ドリルの振動でタイルの端が欠けてしまうことがあるので、慎重に行います。
あけた穴から専用のノズルで、コンクリート下の地面に薬剤を浸透させます。
一般的な玄関の場合、各隅4ヶ所程度処理します。
浴室の施工
浴室も玄関と並んで、シロアリの被害が多い場所なので、慎重に施工します。
浴室の床面
タイル張りの風呂は構造上床下を確認することができないので、玄関同様確実に処理します。
玄関と同様に、タイルの目地の隙間にドリルで穴をあけてコンクリート面を貫通させ、専用のノズルでコンクリート下の地面に薬剤を浸透させます。
一般的なお風呂の場合、玄関同様4ヶ所程度処理します。
浴室の壁面
先程も説明した通り、タイル張りの風呂は構造上床下を確認することができないので、シロアリが風呂の真下(風呂の基礎の内側)からきている場合は、床下を点検しても被害を確認できない場合があります。
上の写真は、解体中の風呂の壁の中です。シロアリは柱や壁の下地の木を食べながら、どんどん上に上って行きます。確認できない(見えない)からシロアリは「いない」ではなく、「いる」と想定して施工します。
細めのドリルで、風呂場壁面のタイルの隙間に穴をあけます。上の写真のようなタイルの場合、概ねタイルの3枚分の間隔で穴をあけます。
あけた穴に針状の専用ノズルを差し込み、壁の内部に薬剤を散布します。
床下の施工
まず、お客様のお宅を汚さないように、入り口から床下点検口までをシートで養生します。
シロアリ被害のある木部
シロアリ被害のある個所(土台、大引、束柱など)の薬剤処理を行います。
シロアリの被害個所に木工ドリルで、薬剤を注入するための穴をあけます。
あけた穴に薬剤を加圧注入します。表面から見ただけでは分かりにくいですが、柱の内部もシロアリに食べられているため、周囲から薬剤が漏れ出してきます。
穴あきブロック基礎の穴
基礎を穴あきブロックで造ってある場合、ブロックの穴の中をシロアリが上がってくることがあります。必要に応じてブロック基礎の処理を行います。
ブロックの穴部分を狙って、ブロックの側面にドリルで穴をあけます。
あけた穴に専用のノズルで薬剤を注入します。
床下全体に薬剤散布
床下の一番奥までホースを引き込んで、戻りながら床下全体に薬剤を散布します。シロアリの巣はほとんどの場合地面の下にあるため、表面全体的に薬剤のバリアを張るイメージです。
まとめ
以上がシロアリバリア工法の基本的な施工の流れです。現場の状況によって、施工方法や作業の順序は異なります。また、被害の程度によっては床上の追加作業も必要になってきますので、詳細は現地調査の際にご説明します。