ネズミ駆除において侵入口の閉鎖(穴埋め)は重要な工程です。ただ埋めたり塞いだりすれば良い訳ではありません。せっかく埋めたところからネズミが再侵入しないよう、様々なことに気を使わなければなりません。
そのほんの一例をご紹介します。
人間の行動を考える
上の写真の扉は現在使用しておらず、向こう側は屋外に繋がっているようでした。
扉の隙間だけを埋めることも考えましたが、万一扉が動くと、詰め物が取れてしまう可能性があるため、お客様に許可を頂き、コンパネ(木の板)をはって扉全面を塞ぐことにしました。
すべてをコンパネで埋めてしまうのは簡単なのですが、床面はタイル張りです。水を流して掃除をされるかもしれません。コンパネが水に濡れてしまうと腐って劣化し、そこからネズミが再び侵入してくる可能性があります。
そこで床から数センチは、サビに強い亜鉛メッキの鉄板で塞ぐことにしました。これで、水に濡れても当分の間ネズミの侵入を防ぐことができます。
ネズミの行動を考える
配管の隙間にスポンジを詰め込んで、ネズミの侵入を防ごうとされたお客様のご努力が伝わってきます。が、矢印の部分にもスポンジが詰めてあったか、ネズミが天井板を食い広げたか、何れにしてもネズミが再び侵入しています。
詰めてあったスポンジを取り除くと、思いのほか大胆にあいた大きな穴で、天井板のベニヤも傷んでいました。
穴の部分だけを埋めても、傷んだベニヤをネズミが食い広げて再び侵入してくることが考えられるので、穴の周りを広めに覆い隠すよう、パンチングメタル(金属のパネル)で閉鎖します。
下地があるところはビスで、ないところはコーキング剤で接着します。
これで、ネズミが穴の周りを齧っても簡単には出てこられません。
ネズミ以外の動物の事も考える
屋根の垂木の隙間です。少し古めの木造従来工法の家なら、この隙間があることが多いです。
駆除業者の中では定番の隙間です。
この隙間の大きさだと、ネズミだけでなくイタチなども侵入してしまいます。
垂木の隙間に丸めた金網を詰め込んで閉鎖します。シッカリと押し込めばネズミの力では取れないのですが、イタチはかなり力が強いので、取られてしまうかもしれません。なので、念のためコーキング剤で固定します。これで、人間の力でも簡単には取れません。
ちなみにダスキンでは、金網は「黒色」と「白色」を用意しています。埋める場所に合わせて使い分けていますが、当店では「黒色」をよく使います。得に屋根の穴を埋める場合、黒色の網と黒色のコーキング剤で埋めると、下から見ると影にしか見えず、ほとんどわかりません。穴埋めは、場所によってはある程度の見栄えも必要です。
なお、屋根の穴を埋める時は「雨漏り」にも気を付けなければいけませんが、これについてはまたの機会に書きたいと思います。
まとめ
ネズミの侵入口を埋める場合は、ただ埋めるだけなら簡単な場合もありますが、埋め方が甘いとすぐにネズミに再侵入されてしまいます。当店ではネズミのことだけではなく、他の動物やお客様の生活やお仕事のことも考えて、ネズミの侵入を防ぎ続けるために最適な方法で埋めるよう心がけています。